≪上映会場≫ フォーラム那須塩原 

 那須塩原市豊浦字豊浦12-1 ビバモール那須塩原 内

http://forum-movie.net/nasushiobara   Tel: 0287-60-7227 

2月17日(土)~23日(金)① 11:50~ ② 18:50~

「母(2017年/日本/112分)

前売り券  \1100

当日券  一般 \1800  学生 \1500  高校生以下 \1000  シニア \1100

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三浦綾子・原作  山田火砂子・監督

「母」 

小 林 多 喜 二 の 母 の 物 語

小説家・小林多喜二の母・セキの半生を描いた映画。多喜二が拷問で虐殺された後のセキの生き方は、息子が小説を書いただけで殺されてしまったことに対する疑問や深い悲しみに根付いていました。多喜二が殺された後、キリスト教信者となり、多喜二の死とイエス・キリストの死を重ね合わせ、優しかった息子の思い出を胸に生きたセキの姿はどの時代のどの母親にも通じるものがあります。

 

小説「母」

クリスチャンであり作家である三浦綾子さんが、秋田弁で語る多喜二の母・セキの半生を書きとめたという形の作品です。夫と7人の子供と貧しいながらも幸せな生活をしていたセキの人生は、多喜二が逮捕され虐殺されて大きく変わってしまいました。貧しい人々のために小説を書いていただけなのに何故こんな風にひどい殺され方をしなければならないのかと疑問を抱き、この世には神も仏もいないのかと苦しみ、絶望します。クリスチャンになっていた娘のチマに誘われて教会に通うようになり、貧しい人々を世の中からなくすために闘い虐殺された多喜二と、貧しいい人たちの為に施したのに謂れのない罪に問われて十字架にかけられたイエス・キリストが重なるようになりました。近藤牧師に導かれ、平穏な心を取り戻したセキはその後、懸命に生き、命を全うしました。

小林多喜二

貧農の家に生まれた多喜二は、苦学して銀行員となり安定した生活を送れるようになりました。贅沢は出来なくても幸せな普通の生活ができる未来が目の前に広がっていたのですが、1928年に全国で一斉に反戦主義者を逮捕するという大弾圧事件が起きたのをきっかけに、小説を書くことを決意しました。逮捕され拷問を受けた友人などから話を聞き、銀行に勤める傍ら「1928年3月15日」という小説を書き上げたのです。この本は特高警察の残虐性を広く世の中に知らせる役割を果たし注目を集めました。翌年にはオホーツク海で過酷な労働条件のもとで蟹を捕獲し缶詰を製造する労働者たちの闘いを描いた「蟹工船」を発表しました。雑誌に掲載されたものの、共産主義思想を宣伝するとして「1928年3月15日」と共に発禁処分を受け、その4年後に特高警察に逮捕されその日のうちに虐殺されました。1933年2月20日。29歳の若さです。

「蟹工船」ブーム

戦前のプロレタリア文学を代表する作品「蟹工船」が2008年頃から大ブームになりました。戦前のプロレタリア文学がベストセラーになった背景には、新自由主義経済で格差が拡大し、貧困層の労働の実態や生活が戦前のそれと変わらない現状が広がっています。虐げられた労働者がストライキで抵抗したけれど帝国海軍に連行されてしまうという内容で、資本家と軍部の癒着を鋭く暴いた「蟹工船」。そこで描かれた労働者の過酷な労働環境や不公平な社会。ワーキングプアの実態を調べていた作家の雨宮処凛さんが、「蟹工船」の世界が現在のフリーターの姿と重なると発言したのがきっかけとなりました。

 

著作権フリーになっているので青空文庫で無料で読めます。

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